2026年07月10日
契約不適合責任とは?千葉市・四街道市・市原市の不動産売却で売主が注意する点
はじめに
「家を売った後に雨漏りが見つかったら、売主の責任になるの?」
「古い家を現状のまま売れば、責任を負わなくてもよい?」
不動産売却を検討している方から、このようなご相談をいただくことがあります。
結論からいうと、売却した不動産が売買契約で取り決めた内容と異なっていた場合、売主が「契約不適合責任」を負う可能性があります。
ただし、古い家や不具合のある家が売れないという意味ではありません。
物件の状態を事前に確認し、分かっている不具合を買主へ正しく伝え、契約書に明記することが重要です。
この記事では、千葉市・四街道市・市原市で不動産売却をご検討中の方へ、契約不適合責任の内容と、売却後のトラブルを防ぐための対策を分かりやすく解説します。
契約不適合責任とは?
契約不適合責任とは、売却した不動産が、種類・品質・数量などの点で売買契約の内容に適合していなかった場合に、売主が負う責任です。
以前は「瑕疵(かし)担保責任」と呼ばれていましたが、2020年4月に施行された改正民法により、現在は契約不適合責任という考え方に変わりました。
重要なのは、単に不具合があるかどうかではなく、引き渡された不動産が「売買契約で合意した内容と異なっているか」という点です。
例えば、雨漏りがあることを買主へ説明し、その内容を契約書に明記したうえで売却した場合と、雨漏りを説明せずに売却した場合では、責任の考え方が異なります。
国土交通省も、改正後は「隠れた欠陥」かどうかではなく、当事者が合意した契約内容に適合しているかが問題になると説明しています。
▶ 国土交通省「民法改正の主要ポイント」
どのようなケースが該当するの?
例えば、次のようなケースです。
・雨漏りがあった
・シロアリ被害があった
・給排水管から漏水していた
・建物の基礎や構造部分に重大な欠陥があった
・土地に埋設物が見つかった
もちろん、すべてのケースで売主が責任を負うわけではありません。
「契約書でどのように取り決めをしたか」
「売主が事前に説明していたか」
などが重要になります。
給湯器やエアコンなどの設備も対象になる?
給湯器、エアコン、換気扇、食洗機などの設備については、売買契約書や付帯設備表でどのように取り決めたかが重要です。
売却時には、設備の有無だけでなく、故障や不具合の状況も確認し、付帯設備表などを使って買主へ伝えます。
古い設備について「正常に使用できる」と説明したにもかかわらず、引渡し時に故障していた場合などは、トラブルになる可能性があります。
一方、撤去する設備や、故障していることを事前に説明した設備については、その内容を契約書や付帯設備表に明記しておくことが大切です。
契約不適合があった場合、買主は何を請求できる?
契約不適合が認められた場合、買主は状況に応じて、次のような請求ができる可能性があります。
履行の追完請求
建物の修理や補修など、契約内容に合う状態にするよう求めるものです。代金減額請求
修理ができない場合や、売主が対応しない場合などに、売買代金の減額を求めるものです。
損害賠償請求
契約不適合によって買主に損害が生じた場合に、損害の賠償を求めるものです。
契約の解除
不適合の内容が重大で、契約の目的を達成できない場合などには、契約を解除できる可能性があります。
実際にどの請求が認められるかは、不適合の内容や契約条件によって異なります。
法務省も、買主の権利として、追完・代金減額・損害賠償・契約解除を示しています。
▶ 法務省資料
古い家なら責任はない?
「築40年だから現状のままで売れば大丈夫」と思われる方もいらっしゃいますが、それだけでは安心できません。例えば、
・雨漏りを知っていたのに伝えなかった
・シロアリ被害を隠していた
・配管の故障を説明しなかった
このような場合は、契約不適合責任が問題になる可能性があります。
一方で、売主も把握していなかった不具合や、契約書で適切に取り決めをしている場合などは、責任の範囲が異なることがあります。
そのため、「古い家だから大丈夫」「現状渡しだから何も責任はない」と自己判断するのは避けた方がよいでしょう。
契約書がとても重要です
契約不適合責任は、売買契約書の内容によって責任の範囲が変わることがあります。
例えば、
・対象となる設備を明確にする
・売主が把握している不具合を事前に説明する
・契約不適合責任の期間を定める
など、契約内容を適切に整理しておくことで、売却後のトラブルを防ぎやすくなります。
契約不適合責任を負わない特約は有効?
個人が売主となる中古住宅の売買では、契約によって契約不適合責任の範囲や期間を限定したり、売主が責任を負わない特約を定めたりすることがあります。
ただし、売主が不具合を知っていながら買主へ伝えなかった場合は、免責特約があっても責任を免れられない可能性があります。
そのため、「契約不適合責任を負わない契約にすれば、何も説明しなくてよい」ということではありません。
売主が把握している雨漏り、シロアリ被害、漏水、建物の傾き、設備の故障などは、不動産会社へ正確に伝え、物件状況報告書や付帯設備表に記載することが大切です。
買主はいつまでに売主へ通知する必要がある?
民法では、種類や品質に関する契約不適合について、買主が不適合を知ったときから1年以内に売主へ通知しなければ、原則として契約不適合を理由とする請求ができなくなるとされています。
ただし、売主が引渡し時に不適合を知っていた場合や、重大な過失によって知らなかった場合などは、取り扱いが異なります。
また、実際の不動産売買では、売買契約書で通知期間や責任を負う期間を個別に定めることがあります。
契約を締結する前に、期間と対象範囲を確認することが大切です。
仲介売却と不動産会社による買取で違いはある?
仲介売却では、一般の購入希望者を探し、売買契約で契約不適合責任の対象や期間などを取り決めます。
一方、不動産会社による直接買取では、不動産会社が物件の状態を確認したうえで購入するため、契約内容によっては売主の契約不適合責任を免除する場合があります。
そのため、次のような不動産では、直接買取が選択肢になることがあります。
・築年数が古い住宅
・雨漏りや建物の傷みがある家
・長期間使用していない空き家
・相続したため状態が分からない実家
・荷物や古い設備が残っている家
ただし、買取の場合でも、売主が知っている不具合を隠してよいわけではありません。
契約条件は物件ごとに異なるため、責任の範囲を契約前に確認することが大切です。
売却前にできる4つの対策
① 分かっている不具合を正直に伝える
雨漏り、シロアリ被害、漏水、建物の傾き、設備の故障など、把握している不具合は不動産会社へ正確に伝えましょう。
② 物件状況報告書・付帯設備表を正確に記入する
建物や土地の状態、修繕履歴、設備の故障などを確認し、分かる範囲で正確に記載します。
③ 売買契約書の内容を確認する
契約不適合責任の対象、責任を負う期間、免責となる範囲などを確認します。
分からない点は、契約前に不動産会社へ質問しましょう。
④ 物件に合った売却方法を選ぶ
物件の状態によっては、仲介売却だけでなく、不動産会社による直接買取が適している場合もあります。
価格だけでなく、売却後の責任や手間も含めて比較しましょう。
まとめ
契約不適合責任は、売却した不動産が売買契約の内容と異なっていた場合に、売主が負う可能性のある責任です。
古い家や不具合のある家でも、状態を確認し、把握している不具合を事前に伝え、契約書に明記することで売却できる可能性があります。
「現状渡しだから大丈夫」「免責特約があるから何も説明しなくてよい」と自己判断せず、物件状況報告書や付帯設備表、売買契約書の内容を確認することが大切です。
売却後のトラブルが心配な場合は、仲介売却と直接買取の違いも含めて、物件に合った売却方法を検討しましょう。
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