はじめに
令和8年8月の千葉豪雨では、河川の氾濫だけでなく、排水能力を超える雨による内水氾濫、床上・床下浸水、道路冠水、車両の水没など、千葉県内の各地で被害が発生しました。
被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
今回の豪雨で改めて分かったのは、河川の近くだけが危険とは限らないことです。
駅に近い場所や買物に便利な市街地でも、短時間に大量の雨が降ることで浸水や道路冠水が起こります。
また、斜面やがけ、擁壁がある場所では、土砂崩れや地盤への影響にも注意が必要です。
豪雨から約1か月が経過し、片付けや応急対応が一段落する一方で、
「修繕して、このまま住み続けるべきか」
「一度浸水した家でも売却できるのか」
「高額な修繕費用をかける前に、ほかの方法はないか」
と、今後の住まいや不動産について考え始めた方もいらっしゃると思います。
今回は、千葉市のハザードマップの見方と、浸水や土砂災害の心配がある家について、修繕・居住継続・売却を判断するポイントを解説します。
千葉市のハザードマップで確認できること
千葉市の地震・風水害ハザードマップでは、主に次の災害リスクを確認できます。
・洪水
・内水氾濫
・高潮
・津波
・土砂災害
・液状化
災害の種類によって想定区域が異なるため、洪水だけでなく、内水氾濫や土砂災害も切り替えて確認することが大切です。
▶ 千葉市地震・風水害ハザードマップを確認する
河川から離れていても起こる内水氾濫
洪水は、大雨によって河川の水位が上昇し、堤防を越えたり決壊したりすることで、住宅地などに水が流れ込む現象です。
一方、内水氾濫は、短時間に大量の雨が降り、下水道や側溝などの排水能力を超えることで、道路や住宅地に水があふれる現象です。
内水氾濫は、河川から離れた場所でも発生します。駅に近い、商業施設が多いなど、生活利便性の高い場所だからといって、水害リスクがないとは限りません。
特に、次のような場所は注意が必要です。
・周囲より低くなっている土地
・坂道の下にある住宅
・道路より敷地が低い場所
・アンダーパスや地下駐車場
・過去に道路冠水が起きた場所
・側溝や雨水ますの排水が追いつきにくい場所
建物自体に水が入らなくても、前面道路や駐車場が冠水し、車両が水没したり、住宅への出入りが難しくなったりすることがあります。
家だけでなく、周辺道路や駐車場を含めて確認する必要があります。
ハザードマップの区域外なら安全?
ハザードマップで色が付いていない場所でも、浸水や道路冠水が発生する可能性があります。
ハザードマップは、一定の雨量や河川の氾濫など、想定された条件に基づいて作成されています。
しかし、実際の被害には、局地的な雨の降り方、土地の細かな高低差、道路の形状、下水道や側溝の排水能力など、さまざまな要因が関係します。
自宅や所有不動産のリスクを確認するときは、ハザードマップに加えて、次の内容も確認しましょう。
・過去の浸水履歴
・周辺道路の冠水履歴
・敷地と道路の高低差
・側溝や雨水ますの位置
・近隣で過去に起きた被害
・自治体が公表している浸水情報
「色が付いているから売れない」「色が付いていないから安全」と一律に判断しないことが大切です。
土砂崩れ・がけ崩れ・擁壁にも注意
大雨の際は、河川の氾濫や内水氾濫だけでなく、土砂崩れやがけ崩れにも注意が必要です。
大量の雨を含んだ地盤は不安定になり、豪雨から時間が経過した後に、斜面や擁壁へ変化が現れることもあります。
次のような土地や建物は、改めて状態を確認しておきましょう。
・土砂災害警戒区域や特別警戒区域に入っている
・住宅の背後や隣地に斜面がある
・敷地内や隣地との間に大きな高低差がある
・古い擁壁が設置されている
・擁壁にひび割れ、膨らみ、傾きがある
・斜面や擁壁から水が流れ出している
・地面に亀裂や沈下が見られる
千葉市緑区や若葉区など、自然が多く高低差のある地域では、洪水・内水だけでなく、土砂災害警戒区域や擁壁の状態も確認することが大切です。
危険を感じる亀裂、傾き、湧水などがある場合は、無理に近づかず、行政や専門家へ相談してください。
豪雨から約1か月、これから考えたいこと
片付けや応急修繕が一段落すると、次はその家を今後どうするか考えることになります。
主な選択肢は次のとおりです。
・必要な修繕を行い、そのまま住み続ける
・本格的に修繕してから売却する
・被害状況を説明して現状のまま仲介で売却する
・不動産会社による直接買取を検討する
・空き家として管理しながら判断する
どの方法がよいかは、浸水の程度や建物の状態だけで決まるものではありません。
・あと何年その家に住む予定なのか
・修繕後も再び浸水する可能性はないか
・浸水対策に追加費用が必要か
・高齢になっても安心して暮らせるか
・家族が将来その家を利用する予定があるか
・住宅ローンが残っているか
・現在売却した場合、どの程度の価格になるか
こうした点を整理し、ご家族の今後も含めて判断することが大切です。
高額な修繕を始める前に売却価格も確認する
浸水した家を売却する場合、必ず修繕してから売らなければならないわけではありません。
被害の程度や建物の状態によっては、現在の状態を説明したうえで仲介で販売する方法や、不動産会社による直接買取を検討できる場合もあります。
注意したいのは、かけた修繕費用を、そのまま売却価格へ上乗せできるとは限らないことです。
例えば、数百万円をかけて修繕しても、売却価格が同じ金額だけ上がるとは限りません。
数年以内に売却する可能性がある場合は、工事を始める前に、
・現在の状態で売却した場合の価格
・修繕に必要な費用
・修繕後に見込める売却価格
・売却までにかかる期間
を比較することをおすすめします。
売却するか決まっていなくても、現在の不動産価値を知ることで、修繕するかどうかの判断材料になります。
浸水履歴は売却価格に影響する?
浸水想定区域に入っているだけで、すぐに売れなくなるわけではありません。
実際の売却では、次のような点を総合的に確認します。
・床上浸水か床下浸水か
・浸水した高さや範囲
・建物内部への影響
・乾燥、消毒、修繕の状況
・修繕記録が残っているか
・周辺道路も冠水したか
・今後の浸水対策
・駅までの距離や生活利便性
・土地や建物の需要
・周辺の取引事例
駅に近い場所や生活利便性の高いエリアは、浸水履歴があるという理由だけで、直ちに売却できなくなるわけではありません。
ただし、実際の被害状況や修繕内容が分からない場合は、購入希望者が慎重になる可能性があります。
買主が心配するのは、浸水した事実だけでなく、「どの程度の被害があり、どのように修繕され、現在どのような状態なのか分からないこと」です。
被害状況や修繕内容を整理し、分かっていることを正確に説明することが、購入希望者の安心と売却後のトラブル防止につながります。
売却前に整理しておきたい情報
浸水や土砂災害の影響を受けた不動産を売却するときは、分かる範囲で次の情報を整理しておきましょう。
・浸水した日時
・床上浸水か床下浸水か
・浸水した高さや範囲
・被害発生時の写真や動画
・罹災証明書
・乾燥、消毒、清掃の実施状況
・床、壁、断熱材などの修繕内容
・床下、基礎、配管、電気設備の状態
・保険の対応記録
・擁壁や斜面の点検・補修履歴
・周辺道路や駐車場の冠水状況
すべての資料がそろっていなくても、売却できないわけではありません。
分からないことは分からないまま伝え、所有者しか知らない被害や修繕履歴については、不動産会社へ正確に説明することが大切です。
水害ハザードマップは重要事項説明の対象
不動産会社は売買契約前の重要事項説明において、水防法に基づいて作成された洪水・雨水出水(内水)・高潮のハザードマップを提示し、対象物件のおおむねの位置を説明します。
ただし、ハザードマップの提示だけで、将来の被害を完全に予測できるわけではありません。
売却前には最新のハザードマップを確認し、過去の被害、修繕履歴、周辺道路の状況など、実際に分かっている情報も併せて整理しておきましょう。
まとめ
今回の千葉豪雨では、河川周辺だけでなく、駅に近い場所や生活利便性の高い市街地でも、内水氾濫、床上・床下浸水、道路冠水、車両の水没などの被害が発生しました。
また、斜面や擁壁がある場所では、土砂崩れや地盤への影響にも注意が必要です。
豪雨から約1か月が経過した今、片付けや応急対応の次に考えたいのは、これからも住み続けるのか、本格的に修繕するのか、売却するのかという長期的な判断です。
浸水履歴がある家や土砂災害警戒区域にある土地でも、必ずしも売却できないわけではありません。
大きな修繕費用をかける前に、現在の建物の状態、今後の災害リスク、修繕費用、現在の売却可能性を整理し、ご家族に合った方法を選ぶことが大切です。
ハザードマップや今後の不動産についてLINEでも相談できます
「修繕して住み続けるか迷っている」
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という段階でも大丈夫です。
有限会社森英では、売却を前提とせず、建物や土地の状態、ご家族の今後の予定などを伺いながら、選択肢を一緒に整理します。
ご相談の結果、今は売却しない方がよい場合もあると思います。まだ方針が決まっていない段階でも、お気軽にご相談ください。
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浸水や土砂災害の心配がある不動産についても、仲介売却と直接買取の両方から、物件の状態やお客様のご希望に合った方法をご提案します。売却を急がせたり、無理におすすめしたりすることはありません。修繕して住み続けるのか、空き家として管理するのか、売却するのか。まずは選択肢を整理するところからお手伝いします。まだ売却を決めていない段階でも、査定だけ・ご相談だけでもお気軽にお問い合わせください。▶ 不動産売却について詳しくはこちら
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